はじめまして。岡山市で相続と不動産の相談窓口「賢者の相続」を運営している、株式会社キータウン代表の柴山貴志です。
私は岡山市で不動産業(売買・賃貸・管理)を営んでおり、日々の業務の中で「相続した不動産をどうしたらいいかわからない」というご相談を数多く受けてきました。その経験から、税理士・弁護士・司法書士と連携した相続専門の相談窓口として「賢者の相続」を立ち上げています。
今回は、私が1年間かけて取り組んだ岡山市の空き家実態調査の結果についてお伝えします。
「14.4%」に感じていた違和感
「岡山市の空き家率は14.4%」——このデータを目にしたことがある方は多いかもしれません。
岡山市の公式発表(平成30年住宅・土地統計調査)によると、市内の空き家は約53,000戸。住宅総数に占める割合は14.4%とされており、全国平均や他の政令指定都市と比べても高い水準です。
しかし、私は日々不動産の現場で仕事をする中で、この数字にずっと違和感を持っていました。
「14%も空き家があるなら、街を歩けばもっと目につくはずでは?」
実際に物件調査で岡山市内を走り回っていても、空き家だらけという印象はない。ニュースで言われているほど深刻な状態には見えない。それなら自分の足で確かめてみようと思いました。
1年間かけて、岡山市内の戸建て住宅約3万件を1軒ずつ現地で目視確認したのです。
調査の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査主体 | 株式会社キータウン |
| 調査期間 | 2025年1月〜2025年12月(約1年間) |
| 調査件数 | 約30,000件 |
| 調査対象 | 岡山市内の戸建て住宅(北区・中区・南区・東区) |
| 調査方法 | 不動産実務者による現地目視 |
岡山市には戸建て住宅が約21.5万戸あります。今回はそのうち約3万件を対象に、以下の項目を総合的に確認しました。
- 草木の状態: 庭や敷地の草が伸び放題になっていないか
- 郵便受け: チラシや郵便物が溜まっていないか
- 電気メーター: 稼働しているかどうか
- ガスメーター: 停止していないか
- 生活感の有無: カーテンの状態、洗濯物、車の有無など人の気配があるか
特に夏場は草木の繁茂で判断しやすく、空き家かどうかの精度が上がります。
これは行政が行う5年に1回のサンプル調査とは異なり、不動産のプロが実際に1軒ずつ目で見て判断した数字です。
調査結果:市街化区域の空き家率は約2%

結果はこうなりました。
| エリア | 空き家率 |
|---|---|
| 市街化区域(北区・中区・南区・東区の主要エリア) | 約2% |
| 市街化調整区域 | 10〜30% |
市街化区域——つまり岡山市の中心部や住宅街では、約3万件のうち空き家と判断できたのは約600件。およそ50軒に1軒という割合でした。感覚的に言えば、ご近所の並びを端から端まで歩いて、ようやく1軒見つかるかどうかという程度です。
正直なところ、調査を始める前は「もっとあるだろう」と思っていました。しかし実際に1軒ずつ見て回ると、思った以上に少ない。3時間歩いて空き家が10軒程度しか見つからない日もざらにありました。
しかもその多くは、空き家ではあるものの庭の手入れがされていたり、定期的に管理されている様子が見受けられました。完全に放置されている「問題のある空き家」は、さらに少ない印象です。
一方で、市街化調整区域に入ると状況は一変します。たとえば岡山市内でも中心部から車で20〜30分ほど離れた地域や、田んぼや畑が広がるエリアでは、空き家率が10〜30%に達するところもありました。こちらは草が生い茂り、ポストにチラシが詰まり、明らかに何年も人が入っていないような物件が目立ちます。
なぜ行政データと3倍以上の差があるのか
行政データの14.4%と今回の調査の2%。この差はどこから来るのでしょうか。
理由①:行政データにはマンション空室や賃貸募集中の物件が含まれている
行政の住宅・土地統計調査は、戸建てだけでなくマンションの空室や、すでに入居者を募集中の賃貸物件もカウントに含まれています。つまり「誰も住んでいないが、次の入居者が決まりそうな物件」も空き家としてカウントされています。
一方、今回の調査は戸建て住宅のみを対象にし、「実際に人が住んでいない・使われていない」物件に絞っています。
理由②:調査の粒度が違う
行政の調査は5年に1回のサンプル調査であり、全数を確認しているわけではありません。対して今回は1軒ずつ現地を歩いて確認しています。
理由③:エリアの平均値では実態が見えない
行政データの14.4%は岡山市全域の平均です。しかし実際には、中心部ではわずか2%しか空き家がない一方、調整区域では30%近くに達するエリアもある。「平均14.4%」という数字だけでは、この二極化が見えてきません。
数字が示す「二極化」の実態
今回の調査で最も強く感じたのは、岡山市内で進む空き家の二極化です。
市街化区域(中心部・住宅街):
- 空き家率は2%程度と低い
- 空き家であっても管理されているケースが多い
- 戸建ての需要は依然として高く、売れ残りにくい
市街化調整区域(郊外・農村部):
- 空き家率は10〜30%と高い
- 完全放置の物件が目立つ
- 市街地から車で20〜30分の距離でも、集落によっては数軒に1軒が空き家というエリアがある
- 相続したものの活用方法が見つからず、そのままになっているケースが多い
「空き家問題」とひとくくりに語られがちですが、実態としてはエリアによってまったく事情が異なります。岡山市の中心部に住んでいる方からすれば「そんなに空き家が多い実感はない」というのは、データ上もその通りだったわけです。
空き家問題の根っこにあるのは「相続」

では、なぜ空き家は生まれるのか。
私はキータウンで不動産業を営む中で日々さまざまな相談を受けていますが、不動産に関する相談の30%以上が、実は「相続」に関連しています。
「親が亡くなって実家が残ったけど、どうしたらいいかわからない」——この相談が年々増えています。
親が亡くなった後、実家をどうするか決められない
相続が発生しても、「とりあえず登記だけして、そのまま」というケースは非常に多いです。2024年4月からは相続登記が義務化され、正当な理由なく放置すると10万円以下の過料の対象にもなります。しかし現場で起きているのは、登記はしても「この家を売るのか、貸すのか、壊すのか」の判断がつかないまま空き家化するケースです。
遠方に住んでいて管理できない
岡山に実家があるが、自分は大阪や東京に住んでいる。年に数回帰省するのが精一杯で、草刈りや換気といった最低限の管理もできない。気づいたら草は伸び放題、ポストにはチラシが溜まり、近所から心配の声が上がっている。
売りたくても、どこに相談すればいいかわからない
相続した不動産を売りたい、あるいは活用したいと思っても、相談先がわからないという声は多いです。市役所に行っても手続きの案内はしてくれるが、「この家をどうしたらいいか」の判断までは教えてくれない。税理士に聞いても税金の話になり、不動産の活用方法までは出てこない。
つまり、相続の「手続き」を相談できる場所はあっても、その先にある**「この不動産をどうするか」という出口の相談ができる場所がない**。これが空き家を生み出す構造的な原因です。
「賢者の相続」を立ち上げた理由
冒頭でも触れましたが、こうした課題を解決するために、私は税理士・弁護士・司法書士と連携した相続専門の相談窓口「賢者の相続」を立ち上げました。
なぜ不動産会社がそこまでやるのか。それは、相続における不動産の問題は「手続きの入口」と「活用の出口」をセットで考えなければ解決しないからです。
| 専門家 | 対応範囲 |
|---|---|
| 税理士 | 相続税の試算・申告 |
| 弁護士 | 遺産分割・相続紛争の対応 |
| 司法書士 | 相続登記の手続き |
| キータウン(不動産) | 売却・活用・管理の判断と実行 |
相続が発生したとき、税金のこと、法律のこと、登記のこと、そして不動産のこと。それぞれ専門家が別々にいるのが普通ですが、相談する側からすれば「全部まとめて聞きたい」というのが本音ではないでしょうか。
賢者の相続では、相続の入口(手続き)から出口(不動産の活用)まで、ワンストップで相談できる体制を整えています。
今回の空き家調査も、この取り組みの一環です

1年間かけて岡山市の戸建て3万件を歩いて回ったのも、賢者の相続としての活動の延長線上にあります。
「空き家が増えている」とは言われますが、実態としてどのエリアにどれくらいあるのか。行政のデータだけでは現場の感覚と合わない部分がありました。相談に来られた方に「この物件はこうした方がいいですよ」と提案するには、自分の目で見た情報が必要です。
調査を通じてわかったのは、岡山市の中心部では空き家はまだ少なく、問題が集中しているのは調整区域であるということ。そして、その多くが相続をきっかけに放置されているということです。
空き家問題は、放置してから対処するのではなく、相続が発生した段階——あるいはその前の段階で動き始めることが大切だと、1年間の調査を通じて改めて実感しました。
まずはお気軽にご相談ください

賢者の相続では、相続や空き家に関する無料相談会を月2回開催しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催頻度 | 月2回 |
| 場所 | 岡山市中区平井5-7-39(キータウン内) |
| 費用 | 無料 |
| 対象 | 相続した不動産にお悩みの方、相続の事前準備をしたい方 |
| 予約 | https://kenja-souzoku.jp/contact |
「実家をどうしたらいいかわからない」「相続登記はしたけど、その先が決まっていない」「まだ相続は発生していないが、事前に備えておきたい」——そんな方はお気軽にご相談ください。
税理士・弁護士・司法書士と連携しているので、税金・法律・登記・不動産活用のどこからでも相談を始められます。
「いきなり相談会はちょっと…」という方は、LINEからのお問い合わせも受け付けています。ちょっとした質問でも構いませんので、お気軽にメッセージをお送りください。
- 賢者の相続: https://kenja-souzoku.jp/contact
- LINEでのお問い合わせ: https://lin.ee/Oh943my
- 電話でのお問い合わせ: 086-230-1143(キータウン)
まとめ
行政データの「14.4%」という空き家率は、岡山市の空き家問題を考える上でのスタート地点にすぎません。
実際に3万件を足で回って確認した結果、市街化区域ではわずか2%。一方で調整区域では10〜30%に達するエリアもある。この二極化こそが、岡山の空き家問題の実態です。
そしてその根っこには「相続」の問題がある。手続きだけでなく、不動産をどうするかの出口まで一緒に考えられる場所が必要だと、1年間の調査と日々の相談対応を通じて実感しています。
岡山で相続や空き家のことでお悩みの方は、ぜひ一度「賢者の相続」にご相談ください。
※本記事の調査データは、株式会社キータウンが2025年1月〜12月に実施した独自調査に基づいています。行政統計とは調査対象・方法が異なるため、単純な比較を目的としたものではありません。






