Case
相続事例
ご相談の背景・お悩み
ご相談者様は、お父様を亡くされた後、当事務所へお越しになりました。相続人はご相談者様を含む子ども3名と配偶者の計4名と思われていました。
ところが、戸籍を調べていく中で、お父様には前妻との間に2人の子どもがいることが判明。相続人は合計6名となりました。
前妻の子どもたちとは一度も面識がなく、連絡先も分かりません。「どこに住んでいるのか」「連絡を取る手段があるのか」も分からない状態で、相続手続きが止まってしまいました。
遺産には自宅と土地があり、このままでは売却も活用もできません。どう進めればいいか分からず、当事務所にご相談いただきました。
当事務所にご相談いただいた理由
インターネットで「岡山 相続 前妻の子」「相続人 連絡取れない」などのキーワードで検索される中で、当事務所のホームページをご覧いただいたことがきっかけでした。
他の事務所では「連絡が取れないと進められない」と言われ、具体的な解決策を示してもらえなかったとのこと。当事務所では、戸籍調査による住所特定から遺産分割協議の進め方まで一貫してサポートできる点にご安心いただき、ご依頼となりました。
ご提案した解決方針
まずは、前妻の子の所在を確定させることが最優先です。戸籍の附票を取得して現住所を特定し、その後ご相談者様から直接手紙を送付して遺産分割協議への参加を依頼する流れをご提案しました。
司法書士には相続人への連絡について代理権がないため、手紙の作成はサポートしつつ、送付はご相談者様ご自身で行っていただく形です。
分割方針としては、現在の家族側で不動産を取得し、前妻の子には法定相続分相当を現金で渡す形を目指しました。これにより、不動産を自由に活用できる状態にすることが可能になります。
実際に行った対応
まず、戸籍謄本・附票を収集し、前妻の子の現住所を特定しました。次に、司法書士がひな形を作成し、ご相談者様から各相続人へ手紙を送付しました。
その後、不動産は現家族側が取得、前妻側には現金で分配する内容で遺産分割協議を調整。全相続人から遺産分割協議書への署名・捺印を取得し、登記手続きを完了しました。
不動産の名義変更が完了し、活用可能な状態となりました。
結果・解決のポイント
・戸籍調査により、面識のない前妻の子の住所を特定し、連絡を取ることができた
・全員から遺産分割協議書への署名・捺印を取得し、相続手続きを完了
・不動産は現家族側で取得し、前妻側には現金で法定相続分を分配する形で円満に着地
・不動産の名義変更が完了し、売却や活用が可能になった
・遺言書があれば分割協議自体が不要だったという点を、今後の相続対策としてお伝えした